和山敏郎。伝説の作家・ぬらり健一の使った名前だ君は使うかね
ある男はそう言った。
私はタバコを吸った。ぬらり健一、聞いたことがない。
その男、本当の名前はなんだ
内田たかひろという
内田たかひろか。面白い。勝った。
ぬらり健一の探偵と同じ名の探偵・私は旅をしながら探偵をしている。街に広がる宇宙が神々しく、明後日のほうも向かない
ぬらり健一だよ。
誰だ
私がぬらり健一だ
めちゃくちゃな服を着た老人だった。やせ細っていた。
なぜ私の名を呼ぶ
君が和山俊郎と聞いてね
面白い和山を名乗っては悪いか
悪くない悪くないが君は死ぬ
そんな…
ぬらり健一は魔法を唱えた。それは熱い魔法だった。
私は豪華に焼かれた。だが、それは一瞬のことだった。
なんなんだ
もうその名を名乗らぬことだ
ぬらり健一は去っていった。ぬらり健一は泣いていた。
ぬらり健一の涙を見た私は、名前を変えることに決めた。
ユジャ・ワンと。
だが、ユジャ・ワンという名は中国名。それも国際的ピアニスト。使っていいのだろうか
私は問い合わせた。使って良いそうだ。
私はユジャ・ワンと名乗ることを決めた。